藤森建築と路上観察
大型連休後半が始まった5月3日。友人と友人の2歳になろうとする息子と、3人でお出かけ。
初台のオペラシティで、「藤森建築と路上観察」を見てきたのだ。
藤森照信は建築家であり、建築史家。東京大学生産技術研究所教授だが、堅い肩書きに似合わず、「え、何これおもしろい」という建物をいくつも作っている。
数年前に見たNHK教育のETV特集「スロー建築のススメ 〜藤森照信流 家の作り方〜」を見て以来、興味を持っていたのだった。この番組では木の上に作られた茶室や、赤瀬川原平自宅で屋根に韮の植えられた「にらハウス」などが紹介されていた。これ、かなり面白かった。
今回の展示は、2006年9月に開催された第10回ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展の凱旋展示。
最初の展示室では、実際に藤森照信が使っている電気のこぎりや壁などで使われている建材、写真や模型が展示されていた。嬉しいことに、乱暴にしなければ触ってもいいのだそうだ。怒られないよう、そっと触りまくる見学者たち。
さらに進むと、茶室への入り口がしつらえてある。実際に靴を脱いで、黒く塗られた壁に金で縁取りされた四角い穴をくぐり抜ける趣向。子供には楽しいなー。友人の息子がまたくぐり抜けたがったのも、わかる、わかる。
くぐり抜けた先もござが敷かれた展示スペースになっていて、ETV特集で見た樹上の茶室の写真やビデオ、半ば水没した未来の東京にまるでナウシカみたいな半植物建築が直立したジオラマが並んでいる。裸足なので、妙にくつろいだ気持ちになってしまう。
最も大きい展示物は、ロープで編まれたドームだった。赤瀬川原平、南伸坊ら路上観察学会の人たちが汗水流して作り上げた様子が、その横でビデオ上映されていた。丸いロープドームの横にはいくつか小さな入り口が開けられ、中にも入れるようになっている。それほど大きなドームではないのだけど、ロープの隙間から展示会場の照明が差し込み、狭苦しさはそれほど感じられなかった。
ドームの中でもビデオが流れ、こちらは路上観察学会で発表された不可思議な建築物らが映し出されていた。そんなに大きくはないドームの中に、10人以上の見学者が丸く座って画面に見入る。これまた不思議なものでなんとなく同じ空間を共有している親近感を持ってしまう。
ここで昼寝したら気持ちいいだろうなー。
そんなだらけた気分になってきた頃、友人の息子は飽き始めたようだったので、後で落ち合うことにして、残りは一人で回ることにした。
最後の展示スペースは、路上観察学会の写真群。ただし、この辺りは超芸術トマソンで見たことのあるものが多かった。なので、さくっと見た後に収蔵品展を見ることに。
「こことそこの間」と題された展示は、シュールな絵が並んでいた。どの絵も見ていると、少し宙に浮いたような気分になる。特におもしろいなーと思ったのが、 「わたる「日語」、「元陽」の連作。ここにいるけど、同時にそこにも移動できるような、吸い込まれるような感じになった。
もう一つ、須藤由希子展が開催されていたので、こちらも見た。白いキャンバスに黒い鉛筆で日常の風景に植物を描きこむ作風。人物は影も形もなく、よくある風景なのに、異世界のように見えてくる。
どの展示も日常の中の非日常を感じる内容。満足して会場を後にした。
ミュージアムショップで友人親子に遭遇。息子が泣いているので、なぜと問うたら、奈良美智の木製おもちゃを欲しがったのだとか。お値段12,600円。それは買ってもらえないよ。
・藤森建築と路上観察 第10回ヴェネチア・ビアンナーレ建築展帰国展
・「こことそこの間」
・須藤由希子展
ザ・藤森照信 |
![]() 藤森照信野蛮ギャルド建築 |
Posted by sbt at Maggio 4, 2007 | 雑記帳
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